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 群馬県館林市に、ミャンマーのロヒンギャ族約200人がひっそりと暮らしている。日本で難民として認定されず、仕事や医療面で苦境にある人々も少なくない。ロヒンギャ族やシリア難民など、国際社会では難民が改めて大きな課題となっている。国連は、難民の保護と支援への関心を高めようと制定した20日の「世界難民の日」を前に、世界の難民や国内避難民が過去最多になったと発表した。

 古い民家の一室で、アウンアウンさん(38)は、2時間しか眠れず早朝に目を覚ました。

 6月8日は、住んでいる群馬県館林市から、東京都港区にある入国管理局に行く日だった。正式な在留許可はない。「捕まったら、どうしよう」と考えると、心配でたまらなかった。

 アウンさんが入国管理局に向かったのは、3カ月に1度の「仮放免」更新のためだった。不法滞在などの理由で本来は収容対象だが、一時的に身柄の拘束を解かれることが「仮放免」だ。代わりに一定期間ごとの更新が必要で、県外への無許可での移動は許されていない。就労や国民健康保険の加入も認められない、不安定な立場だ。

 入管では「難民認定のための面接には呼ばれましたか」などと質問され、無事に終了した。「この日は大丈夫だったが、心配しながら生きて、8年になる」

 アウンさんはミャンマーで生まれ育ったが、出身地のラカイン州では、身に覚えのない爆発事件に関与したと疑われ、当局から連日事情聴取や暴行を受けたという。日本なら難民として受け入れられると期待して、2006年に逃げてきた。ミャンマーでは旅券が与えられなかったために偽造旅券で入国、1年間入管施設に収容された。

 館林市には、日本にいる約230人のロヒンギャ族のうち約200人が暮らし、市内の住宅街にはモスク(イスラム教礼拝所)がある。会社を経営するロヒンギャ族の一人の男性を頼って館林市に集まり始めた。在日ビルマロヒンギャ協会によると、日本国内にいる約230人のロヒンギャ族のうち約200人は同市に住んでいるという。

 働くこともできる在留特別許可が与えられる場合もあるが、アウンさんのように何年も仮放免のままという人もいる。

 「仕事もできず病院にも行けず、自由に移動もできない。ミャンマーも日本も同じだった」。館林市に住むロヒンギャ族の一人ムハマト・アドラさん(34)は漏らす。

 ロヒンギャ族の受け入れは、今年に入ってから国際的な問題に発展した。ロヒンギャ族らの乗った船が次々と東南アジアの国々に向かったが、タイなどが船の受け入れを一時拒否。いまも数千人が海に漂流している可能性がある。

 ムハマトさんは「船に乗った人々の中に自分の親族や友人もいるかもしれない。現地に行って助けてあげたいが、自分にはそれもできない」と話す。

 インドネシア政府とマレーシア…

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