日本を代表する舞踏家・振付家の室伏鴻(むろぶし・こう)さんが18日、心筋梗塞(こうそく)のためメキシコ市で死去した。68歳だった。葬儀は現地で行う。

 1947年、東京生まれ。舞踏の始祖、土方巽(ひじかた・たつみ)に師事し、72年、麿赤兒(まろ・あかじ)さんらと「大駱駝艦(だいらくだかん)」を旗揚げ。女性だけの舞踏集団「アリアドーネの會(かい)」のプロデュースを経て76年、舞踏派「背火」を主宰し、福井県五太子町(現福井市)に劇場「北龍峡」を開く。78年にパリで上演した「最期の楽園」が1カ月のロングランとなり、日本発の舞踏が「BUTOH」として世界に認知されるさきがけとなった。

 神奈川県の湘南で幼少期に見た水死体や出羽三山で見たミイラに触発され、死と再生を身体表現に昇華。海外で積極的に公演を行い、2006年にはベネチア・ビエンナーレで「クイック・シルバー」を発表、銀色に塗られた裸体のうごめきが高く評価された。

 関係者によると、室伏さんはブラジルのサンパウロなどでの公演を終え、ドイツでのワークショップに向かおうとしていた。18日午前8時(日本時間午後10時)ごろ、乗り継ぎ地のメキシコ市の空港で倒れ、ヘリコプターで病院に搬送されたが、約2時間後に死亡が確認されたという。