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 シャープが、液晶や太陽電池などの主力事業の不振で経営が苦しくなり、銀行から支援を受けることになりました。そのしくみは複雑で「貸借対照表がどう動くのか」という質問が、お客様オフィスに寄せられました。

借金を株に替えて財務改善

 経営再建中のシャープは5月14日、2015年3月期決算の純損益が2223億円の赤字になったと発表しました。この赤字額は子会社などの業績を合わせた連結の数字ですが、シャープ自身の純損益では2030億円の赤字でした。

 この赤字を、企業の財務状態を表す「貸借対照表」(バランスシート)に反映させると、シャープが持つ資産すべてを処分しても、借金(債務)を返し切るのに59億円足りない「債務超過」になっています。

 債務超過の会社は信用が失われ、取引してくれる相手がいなくなって会社が立ちゆかなくなる可能性があります。そこで、メインバンク2行に助けてもらうことになりました。

 銀行に優先株式2千億円を買ってもらい、そのお金で銀行から借りていた同じ額を返します。シャープにとっては借金を減らせることになり、債務超過ではなくなります。

 さらに、ファンドにも250億円の優先株式を買ってもらいます。

 これらの結果、借金などの「負債」が2千億円減り、「資産」が250億円増えます。返済する義務のない「純資産」は2250億円増えます。

 次に、純資産で増えた2250億円を使って、過去の赤字で積み上がった2197億円の繰り越し欠損金を解消します。その差額と、元々あった資本金などを合わせると2千億円ほど残る計算になりますが、このうち資本金には5億円しか残さず、大半を「その他資本剰余金」に置きます。

 この処理について、関西大会計専門職大学院の松本祥尚教授は「今後、優先株を引き受けた銀行に配当しやすくするため」と指摘します。会社法の定めで、資本金は取り崩すのに株主総会の決議が必要だからです。

 なお、今回のシャープの財務改善策は株主の同意が必要なため、23日に開かれる定時株主総会での決議が条件になります。(西山明宏)

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