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 安全保障関連法案を審議する衆院特別委員会は22日、参考人を呼んで質疑を行った。野党推薦で、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏と宮崎礼壹氏は、法案が従来の政府の憲法解釈からみて問題があるとして、法案の根幹にあたる集団的自衛権の行使容認に疑問を呈した。与党推薦の西修・駒沢大名誉教授(憲法)らは法案への理解を示した。

 2004~06年に小泉内閣で長官を務めた阪田氏は、「従来の政府解釈と集団的自衛権の行使を整合させようという政府の姿勢は一定の評価ができる」と述べた。その一方で、政府が集団的自衛権の行使容認の根拠とする1972年の政府見解の結論部分「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」を変え、行使を容認した点を「憲法を順守すべき政府自ら憲法の縛りを緩くなるように解釈を変えるということだ」と問題視した。

 さらに、集団的自衛権の行使は「進んで戦争に参加することで、国民を守るというより国民を危険にさらす結果しかもたらさない」と結論付けた。

 06~10年に安倍、福田、麻生、鳩山内閣で長官を務めた宮崎氏は、集団的自衛権の行使について「憲法9条の下で認められないことは、我が国において確立した憲法解釈で、政府自身がこれを覆すのは法的安定性を自ら破壊するものだ」と批判。「法案は憲法9条に違反し、撤回されるべきだ」と語った。

 政府が解釈変更の論拠の一つに挙げる59年の砂川判決についても、「他国防衛たる集団的自衛権の話が入り込む余地はない」と述べた。政府が72年見解の基本的論理を維持している、と主張していることに対しては「黒を白と言いくるめるたぐいだ」と断じた。

 野党推薦の小林節・慶応大名誉教授(憲法)も「憲法に違反し、政策としても愚かで廃案にするべきだ」と批判した。

 与党推薦で、首相の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)メンバーだった西氏は「戦争法案ではなく、戦争抑止法案だ。(集団的自衛権の)限定的容認で明白に憲法の範囲内だ」と理解を示した。与党推薦の森本敏・元防衛相は安保環境の変化を理由に「安保法制は極めて重要だ」と述べた。(小野甲太郎)

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