[PR]

 国税庁は1日、相続税や贈与税の計算基準となる2015年分の路線価(1月1日時点)を公表した。全国平均は前年より0・4%下がったが、下げ幅は0・3ポイント縮小。上昇は10都府県で2府県増えた。景気回復に伴うオフィスや住宅需要が反映されている。

 宮城と愛知は3年連続、東京、大阪など6都府県は2年連続の上昇で、京都と沖縄が加わった。上げ幅は宮城が2・5%で3年連続のトップ。福島2・3%、東京2・1%と続いた。

 東日本大震災後、宮城は復興事業で企業が進出し、福島は避難者の住宅需要が続く。東京では再開発が進んでいる。今年1月の相続増税を前に、節税で不動産投資が相次いだことも都市部の上昇に影響したとみられる。

 下落は3減って35道県。茨城、兵庫、山口など28県で下げ幅が縮小した。横ばいは、前年の下落から転じた福岡、滋賀の2県で、前年の1県から増えた。

 都道府県庁がある都市の最高路線価も、上昇が前年の18から21に増えた。上げ幅トップは東京の14・2%で、名古屋、広島、大阪も10%超。円安の後押しで大勢の外国人観光客が買い物などに訪れ、商業施設の好調が続いている。

 北陸新幹線の開業に沸く金沢も9・3%上がった。下落は前年より9減って12都市となる一方、水戸、徳島、宮崎、鳥取は下げ幅が4%を超えた。東京都中央区銀座5丁目の文具店「鳩居(きゅうきょ)堂」前は1平方メートルあたり2696万円で、30年連続で最高額となった。

 日本不動産研究所(東京)は「投機的ではなく、実際の需要に基づいた投資により、地価はじわじわ上がっている。今後も堅実な動きが続くのではないか」と分析する。(水沢健一、磯部征紀)

     ◇

 〈路線価〉全国の主な道路に面する土地1平方メートルあたりの評価額(1月1日時点)で、相続税や贈与税の計算基準となる。国土交通省が毎年3月に出す公示地価(同)の8割を目安に、取引価格や不動産鑑定士の意見を参考にして国税庁が定める。2015年分は約33万4千地点が対象。東京電力福島第一原発の周辺は評価が難しいとして、今回も「ゼロ」とされた。

こんなニュースも