[PR]

 学校の教職員による性的な嫌がらせ「スクールセクハラ」が深刻化している。わいせつな行為で懲戒処分や訓告を受けた公立学校の教職員は2013年度、初めて全国で200人を超えた。私立学校は含まれず、「氷山の一角」だ。

「俺に見放されたら、お前は終わるぞ」

 「そんなにベタベタ触らないでください!」

 数年前、都内の高校に通っていた20代の女性は初めて、その男性教諭に強い口調で抗議した。この教諭は授業中、女性の肩をもんだり頭をなでたり、ほおや足を触ったりしてきた。

 その様子は、他の生徒も目撃していたが、教諭は気にしていないように見えた。女性は「これってセクハラじゃないの?」と迷いながら、受験への影響も考え、耐えていたという。

 だが、この日は我慢できなかった。教諭が女性の机に近づいてきて、制服のブラウスの中に手を入れ、背中を触ってきたのだ。女性が抗議すると、教諭はこう言った。「俺に見放されたら、お前は終わるぞ」

 翌日から、学校に行けなくなった。眠れなくなり、食欲もなく下痢を繰り返した。嘔吐(おうと)が止まらないこともあった。心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断された。

 教諭は退職したが、教え方は上手で、人気があったため、女性を責める同級生もいた。「なぜ私が責められるのかと思うと、むなしかった」と女性は言う。卒業後に1浪し、知人のいない遠方の大学に進学した。

 両親の後押しで裁判に訴えた後も、苦痛は続いた。教諭は、女性が反抗的な性格だったと非難し、「スキンシップだった」「親しみを込めた表現だった」などと主張。頭以外を触ったことは認めなかった。裁判所は、不快感を与える身体的な接触があったことを前提に和解を勧め、数十万円の支払いで和解した。

 今は会社員として働く女性は「誰かが嫌だと言わないと、また同じことが起きると思った。友人を失ったのはつらかったけど、訴えたことで自信につながった」と話す。

 性暴力に詳しい打越さく良弁護士は「セクハラを訴えると、被害者が人格攻撃され、品行方正な女性だったかどうかを問われる構図がある」と二次被害を指摘する。「周りの人が説得して、泣き寝入りしているケースも多い」という。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら