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第2章:1

 「お金を払ってでもやってみたかった」。埼玉県在住の会社員、小田篤俊さん(44)にとって、裁判員はそれほど体験してみたいことだった。

 その願いがかなったのは、2010年7月。当時、住んでいた東京都を管轄する東京地裁で裁判員に選ばれた。5年たったいまでも、その4日間は鮮明に覚えている。

 裁判長の第一声は衝撃的だった。

 「たった4日間だが、共同作業になる。私としては名前で呼び合いたい。1人でも反対する人がいればできないけれど、みなさん、どう思いますか」

 選任後に裁判員たちが評議室で一堂に会したとき、そう言ったのだ。裁判員は「1番さん」「4番さん」と番号で呼び合うのが一般的。名前で呼び合いたいという裁判長の提案に、人間的な親しみを感じた。

 裁判員に選ばれたのは、女性2人と男性4人の計6人。補充裁判員は男性2人が選ばれていた。8人全員が異議なしとの意思表示をすると、裁判長は「じゃあ、自己紹介しましょう」と続けた。

 最初の男性が、名前、職業を言った後、「趣味ですか? 何、話します?」と尋ねると、裁判長が言った。「お任せします。ですが、一つだけ教えてください。選ばれたいまの心境を聞かせてください」

 小田さんは素直にうれしさを口にした。なかなか当たらない裁判員に当たったことの喜びを語り、「帰りは宝くじを買いに行きます」と話すと、笑いが起こった。

 ほかにも数人、同様の思いを口…

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