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 長期企画「認知症社会」の第2シリーズ「支える」では、認知症になった人と家族の葛藤、徘徊(はいかい)をまず取り上げました。いただいた投書の中から2人の体験談と助言を紹介します。

認知症の祖母の笑顔 「それで十分」

 大阪府の井上寿実(かずみ)さん(50)は、認知症の母と長女が互いに理解し合えるまでを紹介した6月7日の記事〈何度忘れても「毎日楽しい」って笑う母〉を読み、4年前に91歳で亡くなった祖母と、母(75)のことを思い出した。

 祖母、母、自分と3代続いて詩吟の講師。祖母は亡くなる10年ほど前、「家に泥棒が入った」と言うようになった。我が子が食べ盛りだった昔のようにカレーを大鍋いっぱいに作り、大量のご飯を炊いた。母が尋ねると、祖母は怒って言い合いになった。

 その後、祖母は認知症と診断された。母は自分で介護をすると譲らなかったが、夫の病気を機に介護施設への入所を受け入れた。施設でタオルをたたむのを喜んで手伝う祖母を見て、母は「家でしてきたような『仕事』をしたいんだ」と感じた。「できることはさせてあげたい」と、おしゃれ好きだった祖母の部屋に化粧台を置き、夏祭りには浴衣を用意した。3人で詩吟もした。

 やがて祖母は、母のこともわからなくなった。それでも母と自分が顔を出すと、表情が明るくなった。2人は「それで十分」と思えた。

 井上さんは、最後まで祖母の笑…

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