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 野坂昭如さんの自伝的小説「火垂(ほた)るの墓」に登場し、同名のアニメ映画にもその姿をとどめる西宮回生病院(兵庫県西宮市)の事務棟(旧病棟)が、老朽化で解体される。4日、最後の見学会があり、市民ら約760人が訪れた。

 病院玄関を兼ねた事務棟は木造2階建てで、1937年ごろにできた。緩やかな弧を描く車寄せとアーチ型の窓枠が特徴。小説や映画では、神戸空襲で母を亡くした主人公の清太が幼い妹・節子と病院前を通りかかり、よその母娘の再会をうらやむ場面がある。

 95年の阪神大震災で玄関の屋根が落ちたが補修し、今年5月まで使われた。今月中旬に解体工事が始まり、来年夏に5階建て新病棟に生まれ変わるという。