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 米軍と自衛隊が共同で使う厚木基地(神奈川県)の騒音をめぐる訴訟の控訴審で、東京高裁は30日、一審と同様に自衛隊機の深夜・早朝の飛行差し止めを命じる判決を出した。さらに騒音被害に対する損害賠償について、将来分まで支払うよう国に命じた。ただし、米軍機が2年後に移転する計画があることから、騒音をめぐる状況が「変化する可能性がある」とし、飛行差し止めと賠償が認められるのは2016年末までとした。

 自衛隊機の飛行差し止めを高裁が認めたのは初めて。基地騒音訴訟で、判決日以降の将来分の賠償を命じたのも初めてで、過去最高の計94億円とした。各地の基地騒音訴訟にも影響を与えそうだ。

 原告は、神奈川県大和市や東京都町田市などで騒音が一定の基準値を超える地域の住民約6900人。米軍・自衛隊機の飛行差し止めと損害賠償を求めた。

 昨年5月の一審・横浜地裁判決は、騒音は限度を超えており、違法と認定。裁判が結審した日までの賠償に加え、初めて自衛隊機の飛行差し止め(午後10時~午前6時)を命じた。

 この日の高裁判決は騒音被害をめぐる一審の判断を踏襲。とりわけ睡眠妨害は健康被害に直接結びつくとし、「重大な損害を生じる恐れがあると認められ、公共性や公益性で否定することはできない」と述べた。

 そのうえで、日米両政府が17年ごろまでに、騒音が特に大きい米空母艦載機を岩国基地(山口県)に移す計画に着目。「前倒しは見込まれない状況にある」として、移転までの期間は「高度の蓋然(がいぜん)性をもって騒音が継続すると認められる」とし、16年末までの将来分も賠償を命じた。

 この結果、賠償額は一審が認めた約70億円から94億円に大幅に増えた。内訳は、控訴審が結審した今年5月までの過去分の約82億円と、16年末までの将来分の約12億円。これらの賠償の大半は事実上、米軍機の騒音に対する救済にあたる。原告ごとの慰謝料額は一審と同様に、騒音の基準値に応じ月4千~2万円の5段階に分けた。

 自衛隊機の飛行差し止めについても、米空母艦載機が移転すれば「騒音の発生状況が大きく変わる可能性がある」として、差し止め期間を16年末までとした。

 原告側が求めた米軍機の飛行差し止めは一審と同様に、「国が米軍に基地使用を許可する仕組みはなく、差し止めの根拠がない」として認めなかった。

 中谷元・防衛相は30日、国会内で記者団に上告を検討していると述べた。原告も上告の方向だ。(太田泉生)

■東京高裁判決…

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