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 旅に出る心が定まらないまま、代助の頭は三千代のほうに滑っていく。訪ねると三千代はランプの下、1人新聞を読んでいた。暮らしぶりを尋ねると指輪のまったくない手を見せた。代助はためらう三千代に紙入れの紙幣を渡す。翌日、佐川の娘を招待したので来るようにとの父の命令を伝えに兄がやって来た。旅に出る金もなくなり、実家に行かざるを得ない。佐川の娘は薄紅の頰に大きな目、華やかな印象であるが口数少なく、芝居や小説の話題にも関心を示さなかった。

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