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 大分県杵築(きつき)市で住宅が全焼し、子どもとみられる4人の遺体が見つかった事件で、一家の父親で現住建造物等放火の疑いで逮捕された海上自衛官、末棟(すえむね)憲一郎容疑者(40)が県警の調べに対し、火をつけた動機について「(単身赴任先に戻る際)妻が見送りに出てこなかったから」と供述していることが捜査関係者への取材でわかった。妻(42)が子どもの世話で忙しくしていたことに不満を抱いていたといい、「かまってほしかった」とも供述しているという。

 捜査関係者によると、末棟容疑者は、3日夜に単身赴任先の広島県江田島市から家族が住む杵築市に車で帰っており、出火当日の5日夜に広島に戻る予定だった。県警は、家を出る際に妻が見送りに出てこなかったことでカッとなり、突発的に火をつけた可能性があるとみて調べている。

 末棟容疑者は5日午後11時55分ごろ、自宅の室内に放火し、全焼させた疑いがもたれている。捜査関係者によると、末棟容疑者はほぼ毎週末、単身赴任先から自宅に帰り、日曜深夜に広島に戻る生活を続けていた。今回も5日に広島に戻る予定で、出火当時は荷造りも済ませていたという。

 県警のこれまでの調べによると、焼け跡からは油の容器とみられるポリタンクが見つかっており、現場の残留物を鑑定した結果、灯油のような成分が1階から検出された。末棟容疑者は「油をまいて火をつけた」と供述。妻も県警に「お父さんが火をつけた」と話しているといい、県警は、末棟容疑者が妻の前で室内に油をまき、火をつけたとみて捜査している。

 今回の事件では、末棟容疑者の長女で中学2年の悠佳梨(ゆかり)さん(14)、小学4年の四男雅祐(まさひろ)君(9)、小学2年の次女真由美さん(7)、幼稚園に通う五男滋君(5)が行方不明になっている。7日に行われた司法解剖では4人の遺体は男性2人、女性2人で、死因はいずれも焼死と判明した。県警は、遺体は末棟容疑者の子どもの可能性が高いとみている。