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 「明治日本の産業革命遺産」が世界文化遺産に登録された。構成資産は九州・山口、岩手、静岡の計8県に広がる23件で、地元は観光客の増加による地域振興に期待を寄せる。一方で、保存のあり方や稼働中の資産をどう公開するかなど、課題も山積みだ。

 構成資産の一つ、端島炭坑(軍艦島、長崎市)への上陸ツアーには国内外から予約が殺到、定期ツアーを担う4社の予約は8月末までほぼ満席。うち1社「軍艦島コンシェルジュ」の浦瀬弘子さん(25)は「外国から『何とか上陸できないか』とのメールも多い」。

 登録決定翌日の6日に上陸した東京都新宿区の田窪ふみ子さん(62)は「廃虚の中に生活感が漂っていた。上陸しないと体感できませんでした」と語った。

 資産8件を抱える長崎市は登録初年度の観光客増加を6・5万人~26万人、経済波及効果を24・3億円~101・2億円と見込む。

 「明治日本の産業革命遺産」は製鉄・製鋼、造船、石炭産業が柱。欧米列強に対抗するため、西洋の技術を取り込みながらも独自に改良を重ね、やがて東洋初の近代化を成し遂げるまでの半世紀に及ぶストーリーだ。こうした産業遺産が世界遺産に登録されるのは、石見銀山(2007年、島根県)、富岡製糸場(14年、群馬県)に続き国内3件目となる。

 ただ、産業遺産ゆえの課題も多い。実用目的の施設が多く、巨大で劣化も激しい施設をどう維持するか。代表例の「軍艦島」の場合、登録対象は護岸や生産施設だが、通称の由来である建物群は島の価値を語るうえで切り離せない。だが、それらは崩壊が進み、維持するだけで100億円を超えるとの試算も。巨額の費用の捻出に、地元自治体は頭を痛める。見学者の安全確保も不可欠だ。

 有馬学・福岡市博物館長(近代…

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