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大谷敬子・広島大原爆放射線医科学研究所 特別研究員

 原爆の投下からまもなく70年。被爆者の平均年齢が80歳を超えたことを考えると、6千人近くが回答を寄せたのは予想を超えるものでした。アンケートの最後の自由記述欄には、震える文字でつづった人もいました。「体験を後世に残さなければ」という「遺言」のような思いを感じました。

 冷え込む米ロ関係、プーチン大統領の「核使用準備」発言、世界で頻発するテロ……。被爆者が今の国際情勢を心配し、核兵器が再び使われることへの危機感が表れていました。今回は東京電力福島第一原発事故後としては、初めての大がかりな被爆者調査。事故を機に、被爆者が原発反対へ転じた傾向もくっきりと出ていました。

 70年前に浴びた放射線が子や孫に影響しないか不安を抱く被爆者が依然として多いことも分かりました。遺伝的影響については不透明な部分が多いですが、原発事故の被災者にも通じる問題です。調査結果の解析を進め、「核なき世界」の実現に向けて役立つ研究を続けたい。

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