[PR]

絵本作家・いわむらかずおさん

 幼児期は戦争まっただ中。東京から秋田に疎開したりして、絵本に接する機会は小学校低学年までほとんどありませんでした。

 終戦後は、東京の杉並に間借りをして、8畳一間に両親と6人の兄弟姉妹が暮らしていました。何もなかった。でも、小学校の教員だった父は、知恵で生活を築き上げていきました。

 ドラム缶を拾ってきて五右衛門風呂にしたり、石を積み上げてかまどを造ったり。ぬれ縁に差し込み式の屋根をつくったり。雨になると、家族みんな一斉に屋根を取り付けさせられたりしたんですよ。その背中は、私に大きな影響を与えました。

 芸大でデザインを学び、化粧品会社のデザイン課に就職しましたが、あまり集中できなかった。実は学生時代からテレビ局の幼児向け番組で絵を描くアルバイトを内緒で続けていたのです。これが面白くて。しばらくしてフリーになり、幼児番組の仕事に専念しました。

 1960年代半ばから海外の絵本が翻訳出版されるようになり、絵本への関心が私の中で高まっていきました。日本の絵本は、文章が中心のものが多かったのですが、海外では「スイミー」などの作品で知られるレオ・レオニのように、絵がドラマを運ぶ絵本が多かった。私もそうした絵本作家になりたいと思うようになりました。

 そんな時、ふとしたことで東京杉並から多摩丘陵の公団住宅に引っ越しました。周囲は雑木林や田園風景が残っていました。絵本作家としてスタートしたばかりでしたが、里の自然の中に身を置くことで、絵本のイメージが次々にわいてきました。「14ひきのシリーズ」もそのひとつです。私は東京を離れ、主人公たちと同じように自然の中で暮らしながら絵本を描いていこうと考えました。

 そこで、35歳の時に、東京か…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら