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 千年の都に伝わる秘宝を紹介する、秋の「京都非公開文化財特別公開」の概要が13日、主催の京都古文化保存協会から発表された。10月30日~11月8日(一部を除く)に、京都市内の寺社など21カ所を公開。「奇想の画家」として注目され、来年生誕300年を迎える江戸中期の絵師、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800)の天井画も初公開される。朝日新聞社が特別協力する。

 天井画は信行寺(しんぎょうじ)(左京区)本堂の「花卉図(かきず)」。格天井(ごうてんじょう)に計168個の正方形の格子面(縦横約38センチ)があり、円形の枠(直径約33センチ)中に一つずつ花を描いている。ボタンやキク、ユリなどのほか、サボテンやヒマワリも。最晩年の作で、19世紀後半に有力な檀家(だんか)から寄進されたという。

 若冲の天井画は極めて珍しく、信行寺や義仲寺(ぎちゅうじ)(大津市)に伝わる。「穏やかな雰囲気をたたえながらも、何としても描き上げようという若冲の強い意思を感じさせる」と信行寺の本多孝昭住職(58)。公開は今回限りの予定で、貴重な機会となりそうだ。

 特別公開では今回初めて、上賀茂神社(北区)と下鴨神社(左京区)で「夜の部」も開催。境内で石見神楽(いわみかぐら)や今様(いまよう)が奉納される。

本尊守る仁王画、初公開

 平等寺(びょうどうじ)(因幡堂〈いなばどう〉、下京区)は、京都生まれの日本画家、鈴木松年(しょうねん)(1848~1918)の力強い仁王画を初公開する。本堂の板壁にはられた縦2・4メートル、横1・2メートルほどの和紙2枚の作品が、松年筆とわかったのは昨冬のこと。本堂が再建された「明治十九年」の年号と松年の名があり、本尊の薬師如来立像(国重要文化財)を守るために描かれたらしい。

 特別公開後は修理のために取り外すため、現在の形で見られるのは最初で最後。大釜諦順(おおがまたいじゅん)住職(60)は「文化財保護の観点から表装して別に保管する決断をした。ぜひとも本来の姿をご覧いただきたい」。本尊は、善光寺(長野市)の阿弥陀如来、清凉寺(せいりょうじ)(右京区)の釈迦如来とともに「日本三如来」に数えられる。

 信行寺(しんぎょうじ)(左京区)では、来年生誕300年を迎える江戸中期の「奇想の画家」、伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800)の天井画「花卉(かき)図」を初公開。167の格子面に様々な植物を描いた、最晩年の作だ。

 特別公開は一部を除いて10月30日~11月8日。ほかの公開は次の通り。

 【昼の部】清浄華院(しょうじょうけいん)▽三時知恩寺(さんじちおんじ)▽妙蓮寺(みょうれんじ)▽冷泉家(れいぜいけ)(10月31日~11月3日)▽光照院▽西方寺(さいほうじ)▽法然院(11月1~7日)▽妙法院▽雲龍院▽即成院(そくじょういん)▽知恩院三門▽得浄明院(とくじょうみょういん)▽大統院▽霊源院▽東寺講堂・五重塔▽東寺灌頂院(かんじょういん)▽龍安寺蔵六庵(りょうあんじぞうろくあん)【夜の部】上賀茂神社▽下鴨神社

 詳細は協会ホームページ(http://www.kobunka.com別ウインドウで開きます)。問い合わせは協会(075・561・1795)へ。

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 特別公開の拝観料収入は、文化財の修理や保存に役立てられています。(佐藤剛志)