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 漢字の原形とされる甲骨文字の研究者で、書家としても知られる故・欧陽可亮(おうようかりょう)さん(1918~92年)の作品などをめぐり、可亮さんの死後、次女と立命館大が所有権を争っている。次女はこれらを保有する大学側に返還を求めているが、大学側は「正当に寄贈された」とし、大阪簡裁で行われた調停はまとまらなかった。

 所有権が争いになっているのは、立命館大の「白川静記念東洋文字文化研究所」にある書や掛け軸、印鑑など335点。可亮さんは中国唐代の書の大家・欧陽詢(おうようじゅん)の直系44代目の子孫で、54年に中国語辞典の編纂(へんさん)のため来日。その後、日本で甲骨文字の研究や中国語の教育に携わった。

 可亮さんの次女、関登美子さん(69)=兵庫県宝塚市=は「(可亮さんの)作品を一時的に持っていた知人の研究者が、遺族の了解をとらずに寄贈した」として返還を要求。これに対し、大学側は「可亮さんの知人から正当な寄贈を受けており、所有権は大学に移っている」と反論している。

 関さんは取材に対し、「我々には作品や研究を次世代に引き継ぐ責任があるのに、閲覧を求めても応じてもらえない」と訴える。立命館大の担当者は「非常に貴重な研究資料で大切に保管している。一般公開はしていないが、学術目的の閲覧を全て拒んでいるわけではない」としている。(佐藤啓介)