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 2020年の東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場の建設問題をめぐり、政権内で2520億円に膨らんだ総工費を削減する見直し案が出てきた。背景には世論の強い反発があり、自民党幹部も15日、文部科学省に経緯をただすなど対応に向けて動き出した。

 新国立競技場は2本の巨大なアーチで建物を支える特殊なデザインを採用したため、総工費が当初の約1300億円から2倍近く跳ね上がり、計画の見直しを求める声が相次いでいる。このため、関係者によると、今のデザインを決めた2012年の国際コンペの際に検討された別の計画に変更する案などが政権内で浮上しているという。

 安倍政権はこれまで、五輪招致の際に国際公約したことや工期の制約などを理由に計画変更には否定的だった。だが、政権は15日に安全保障関連法案の衆院委員会採決に踏み切り、内閣支持率の低下が見込まれることから、新国立競技場の建設問題を解決すべきだとの考えが強まっている。

 自民党の谷垣禎一幹事長や二階俊博総務会長、稲田朋美政調会長ら党5役は15日、丹羽秀樹文科副大臣ら文科省幹部を呼び、総工費が膨らんだ理由などを説明させた。終了後、二階氏は「国民の尊い税金だ。看過するわけにはいかない」と述べ、党内で対応を検討する考えを示した。別の幹部も「財政再建策として社会保障費の抑制を国民に求めているなか、新国立競技場の総工費は国民の理解が得られない」と語った。