【動画】新国立競技場の計画について会見する建築家の安藤忠雄氏=長島一浩撮影
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 新国立競技場のデザイン選考で、審査委員会の委員長を務めた建築家の安藤忠雄氏(73)が16日午前、東京都内のホテルで記者会見を開き、「私たちが頼まれたのは、デザイン案を決めるまで。選んだ責任はあるが、2520億円になった理由を私も聞きたい」と批判の矛先が自分に向くことに反論した。

 安藤氏が欠席した日本スポーツ振興センター(JSC)の7日の有識者会議で総工費2520億円の建設計画が了承されてから、公の場で発言するのは初めて。安藤氏は2012年11月、JSCが実施した国際コンペの審査委員会の委員長として、公募46点の中からイラク出身の建築家ザハ・ハディド氏のデザインを採用した。だが、ハディド氏のデザインの特徴でもある2本の「キールアーチ」で屋根を支える構造は工事が難しく、建設費が膨らんで工期が延びる原因とされる。

 総工費が当初予定の1300億円から大きく膨らんだことへの批判について、安藤氏は「公開で徹底的に討論するべきだ」とした上で、ハディド氏の案については「人間を選んだわけでもある。これは国際協約。残してほしい」と述べ、現行計画をもとに費用削減を検討すべきだと主張した。

 その一方で、「アイデアのコンペであり、徹底したコストの議論にはなっていなかった」とも認めた。

 新国立競技場については文部科学省が6月末、2本のアーチを残すなどハディド氏のデザインを基にした総工費2520億円の建設計画を打ち出した。だが総工費が当初の予定から2倍近くに跳ね上がったことから見直しを求める声が相次ぎ、安倍政権内でも12年の国際コンペの際に検討された別の計画に変更する案などが浮上している。