1987年5月の朝日新聞阪神支局(兵庫県西宮市)襲撃事件で殺害された小尻知博(こじりともひろ)記者(当時29)の母みよ子さん=広島県呉市在住=が15日、肺炎で死去した。84歳だった。葬儀は近親者のみで営んだ。

 憲法記念日にメディアの取材拠点が何者かに散弾銃で襲われて小尻記者ら2人が死傷し、「赤報隊」名の犯行声明文が送りつけられた言論テロ。みよ子さんは息子を突然奪われた悲しみと無念を俳句に託し、事件解決の日を待ちわびる思いを詠み続けた。「憲法記念日 ペンを折られし 息子の忌」「未解決 今日もあきらめ 明日を待つ」

 2002年5月に阪神支局襲撃事件の時効が成立するのを前に、これらの句を収めた追悼句集「絆」(朝日新聞社発行)を出版した。11年7月に夫の信克(のぶかつ)さん(当時83)を亡くし、近年は車いすでデイケア施設に通う日々だった。