揺れる女性を描写 カツカレーの日(西炯子)

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松尾慈子】もともとセンシティブな主人公たちの心理を丁寧に描く実力派漫画家だったのだが、「姉の結婚」「娚(おとこ)の一生」と、アラフォー・アラサー女性の結婚に揺れる心を描いた作品で大ブレークした西。本作はその流れをくむ最新作である。帯の文句は「それを知らなくても生きていける でも」である。

 28歳で設計の仕事をする斉藤美由紀は、同居していた売れない演劇青年と別れ、婚活を始める。だが、会う男性は、一方的に自分の話しかしない人、お見合い場所にも母親連れの人、目をあわせられない超オクテ、と一癖ある人ばかりで、まったくピンとこない。そんな中、ふと立ち寄った読書カフェで、結婚への迷う気持ちをノートにつづる。何度目かの書き込みに、ある日「おまえさんがどんだけ高い女なんだよ」と辛辣(しんらつ)な返事が書き込まれていた。腹立ちを覚える美由紀だが、返事の主は同じ会社で働く、50代の高橋だと知る。「あんた間違ってる」とまで書く高橋と話すうちに、美由紀はどう選択すべきか分からなくなっていく。

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