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 来年の米大統領選に名乗りをあげた、共和党候補のドナルド・トランプ氏の発言をめぐり同党が揺れている。「メキシコ人は麻薬や犯罪を持ち込む」といった発言をたしなめた党重鎮のマケイン上院議員を「英雄ではない」と侮辱。他の候補は党のイメージ低下を懸念するが、トランプ人気は急上昇している。

 トランプ氏は全米にホテルやカジノ、ゴルフ場などを保有する不動産王。6月の出馬表明の際に「メキシコは問題のある人間を(米国に)送り込んでいる。彼らは強姦(ごうかん)犯だ」などと発言して物議を醸した。

 これに対し、世論調査で上位を争うジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が「彼の視点は共和党の主流ではない」と述べ、他の候補も相次ぎ批判。大統領選の共和党指名候補になったこともあるマケイン氏は、トランプ氏を支持する勢力を念頭に「変わり者に火をつけている」とたしなめた。

 アイオワ州で今月18日にあった共和党大会に現れたトランプ氏は、マケイン氏がベトナム戦争で捕虜だった過去を取り上げ、「彼は戦争の英雄ではない。私は捕虜にならなかった人が好きだ」と述べた。

 共和党全国委員会はトランプ氏の暴走に歯止めをかけようと躍起だが、同氏の支持率は急上昇。米ワシントン・ポストなどが20日に発表した共和党候補の支持率調査では、トランプ氏が24%で首位。2位のウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(13%)、3位のブッシュ氏(12%)を大きく上回った。(ワシントン=佐藤武嗣