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 計画が白紙に戻った新国立競技場問題。国際デザイン競技で選ばれた案の総工費が膨らんだことが最大の要因だった。新しい案を選ぶ際も、国際的な競争になるとされる。では設計者の選び方はどうなっているのか。国内外の設計競技(コンペ)に参加し、時に審査員も務める建築家の隈研吾(くまけんご)・東京大教授(60)に聞いた。

 そもそもコンペは、「優れた案を広く公平に選ぶためのものだ」。今回の新国立競技場のコンペの審査委員には、内外の著名な建築家や建築史の研究者らが名を連ねた。そこで、「『プロ』の委員たちは総工費が高騰しそうだと分からなかったのか」という批判が生じている。

 隈さんは「他人の設計について審査の段階で正確に見通すのは難しい」と一般論を述べたうえで、今回の白紙撤回に至った要因については「むしろ日本のコンペのやり方の問題ではないか」と指摘する。というのは経験上、フランスのコンペではコストの査定などをする積算事務所をチームに加えて、概算見積もりを作ることが義務づけられていることが多いからだ。「日本ではゼネコンがその機能を果たしている面がある」と話す。

 多くの本格的な設計コンペでは詳細な図面や模型が求められてきた。これに対し今回のデザイン競技では模型の提出はなかったが、隈さんによれば、図面や模型の簡略化は日本では珍しくない。「プロポーザル(提案)型」と呼ばれる方法だ。

 コンペには案を選ぶ面と設計者を選ぶ面があり、プロポーザル型は後者に重きを置く。ヒアリングも重視される場合が多く、設計者の実績や考え方を見極めようとする。

 このタイプは、バブル崩壊後の1990年代後半から増えたと隈さんは見ている。「バブル期の過剰なデザインや高い建設費への反発から、安心できる設計者と話し合いながら案を練っていく」方法だという。

 新国立競技場は今後、新たに「…

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