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 成年後見人として管理していた認知症の女性の預金を元弁護士が私的に流用していたとされる事件で、警視庁は、別の認知症の女性の約1400万円も私的に流用した疑いが強まったとして、元弁護士を22日にも業務上横領の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。

 元弁護士は、東京都千代田区の渡部直樹容疑者(48)。捜査関係者によると、渡部容疑者は昨年、東京都の認知症の80代女性の銀行口座から現金約1400万円を引き出し、横領した疑いがある。捜査2課は、この女性の預金から100回近くにわたって計約5千万円が引き出されたことを確認。渡部容疑者は調べに対し、別の認知症の80代女性の預金約1千万円を横領したことも認めているといい、被害総額は計約1億円に上るとみている。

 渡部容疑者は、東京都北区の90代女性の口座から約4200万円を横領したとして逮捕された。「キャバクラでお気に入りの女の子のために、シャンパンタワーをやって一晩で約100万円つぎ込んだこともあった。キャバクラだけで4千万円ほど使い込んだ」と供述しているという。

 渡部容疑者が昨年3月まで所属した第一東京弁護士会の上柳敏郎副会長は「悪意を持っていれば誰でもできてしまう。第三者のサポートが足りなかった」と悔やむ。同弁護士会では2年前から研修を増やしたり、後見人として推薦する際に会費の滞納状況を確認したりしている。今後は家裁に推薦する要件の厳格化や研修の強化を検討している。(中野浩至、高田正幸)