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 「安倍政権の親原発政策が加速度を増しています。日本の核武装に対する憂慮が膨らんでいます」。

 韓国のニュース専門放送局YTNは2月、日本の原発再稼働への動きを報じるニュースで、こう論評した。安倍政権の発足後、「日本の核武装」は韓国のメディアにしばしば登場するようになった。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領も昨年5月、米国の経済紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、北朝鮮が新たな核実験に踏み切ったときの影響について聞かれ、「域内での核ドミノ現象をふせぐのが困難になると憂慮しています」と語った。

 大統領の発言は韓国メディアでも取りあげられた。発言の真意について、大統領府(青瓦台)は「朴大統領は、北朝鮮の脅威が域内のほかの国の先例になり得ると警告した」と説明した。当時、北朝鮮が国営メディアを通じて挑発的メッセージを繰り返し、4回目の核実験の可能性が指摘されていた。北東アジアのほかの国が次々と核武装に踏み切る「核ドミノ現象」に触れた朴大統領の発言に対して、韓国内では「日本を意識したもの」(元韓国政府高官)との受けとめもあった。

 故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領のもとで、2006~08年に韓国の外交通商相を務めた宋旻淳(ソン・ミンスン)・北韓大学院大学総長は今年7月、ソウルでの記者の取材にこう語った。

 「安倍政権がとる行動を見ていると、状況によっては、核武装への道を進むこともあり得るのではないかと憂慮している。日本は技術的にはいつでも核武装できるとみている。そうなれば、悲劇のはじまりだ。韓国や中国は、日本から侵略や攻撃を受けた歴史的な経験がある。自身を侵略した国が、核武装しようとしているとなれば、被害国がとりえる行動は明白だ。そうなれば、核軍備競争へとつながってしまう」。日本の集団的自衛権行使に向けた安全保障関連法案の国会審議は、韓国でも盛んに報じられ、日本の現状は「右傾化」「軍事大国化」と表現されている。

     ◇

 広島、長崎への原爆投下から70年。核兵器廃絶を訴えてきた被爆者らの願いは届かず、隣の国ではむしろ、日本の「核武装」の可能性が語られているのだ。

 韓国中部の都市、大田(テジョン)。韓国高速鉄道(KTX)がとまる大田駅から車で1時間弱離れた山のすそ野に、韓国の原子力開発の中核を担う韓国原子力研究院(旧研究所)がある。敷地周辺は厳重に警備され、入り口の写真を撮ることも許されなかった。

 ここで長年研究を続け、05年まで6年余り研究所の所長も務めた張仁順(チャン・インスン)博士(75)は、大田市内の個人事務所で日本の「核武装」の可能性を問う記者の質問に、こう答えた。

 「日本は決断さえすれば、核兵…

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