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 15歳までの学齢期を過ぎた人が通う「夜間中学校」に、不登校などで中学に通えず形だけ卒業した場合も入学できるようにする。文部科学省が30日、全国の都道府県教育委員会にそんな通知を出した。これまでは欠席が多いなど中学時代の通学実態と関係なく、卒業資格がある場合は夜間中学に入れなかった。

 夜間中学は、終戦直後に就労などで中学に行けない子のためにできた公立中の夜間学級。現在は8都府県に31校あり、中学を卒業していない高齢者や外国人ら約1800人(昨年5月時点)が通う。文科省は「全都道府県に1校」を目指して増やす方針を掲げる。

 中学を卒業済みの人が再入学することを直接禁じる法令はないが、無償の義務教育を2度受けることが公平性を損なうことなどから、文科省はこれまで、認めない見解を示してきた。

 ただ、不登校生の数が中学で10万人前後と高止まりし、うちフリースクールなど学校外で学んで欠席期間を出席扱いとされた生徒も約1万3千人に上る。まったく中学に通えずに卒業するケースもある。こうした人たちに義務教育の機会を広げるため、不登校や虐待などで十分に通えなかった人に限り夜間中学への再入学を認めることにした。

 通知では、既卒者から夜間中学に入学希望があった場合、市区町村教育委員会が記録などから出席状況を確認し、可否を判断するよう求めた。保存期間が過ぎて記録がないことや、出席が十分でも保健室登校が多いケースもあるとして、本人からの聞き取りをもとに柔軟に判断することが望ましい、とした。(高浜行人)

通知のポイント

・不登校や虐待などで中学の大部分を欠席した場合、既卒者でも夜間中学に入学を認める

・既卒者から入学希望があれば、市区町村教育委員会は記録をみたり卒業した中学に聞いたりして当時の出席状況を確認する

・出席日数が多くても保健室登校などで授業が受けられなかったり、記録が破棄されて確認できなかったりすることも想定されるので、本人から聞いて柔軟に判断する

・学び直しへの不安や進路に悩みを抱えている人も多く、きめ細かく対応する