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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先とされる同県名護市辺野古沖で、沖縄県は8月31日、立ち入り禁止区域内の潜水調査を開始した。サンゴ礁や岩礁の損傷状況を確認するのが目的。9月12日まで計10日間行う予定で、中断している政府による移設作業は、調査が終わるまで再開されない見通しだ。

 調査初日は、米軍の許可が必要な立ち入り禁止区域を示すフロート(浮き具)の内外計14カ所で潜水士らが調査。移設関連作業に伴って沈められたコンクリートブロックやその周辺で、サンゴ礁の状況を確認した。この日の調査結果について、県水産課幹部は「知事が行政判断を示す資料となるのでまだ言えない」と話し、具体的な説明を避けた。

 移設計画を進めるため、前知事は昨年8月、埋め立て予定地の範囲内でサンゴ礁の破壊を認める「岩礁破砕許可」を出した。しかし、12月に就任した翁長雄志(おながたけし)知事は、範囲外でもサンゴ礁が損傷している可能性があると判断。今年2月に立ち入り禁止区域周辺の潜水調査を実施するとともに、区域内についても調査できるよう政府に要請していた。

 政府と県は8月4日、辺野古移設問題をめぐり集中的に協議するため、同月10日から9月9日まで1カ月間移設作業を中断すると発表。その間に県がサンゴ損傷調査を行う見通しも明らかにしていた。

 要請から半年を経て調査が実現したことについて、翁長氏は8月31日、「規則違反か否かを判断しなければならない立場としては、遅きに失したと言わざるを得ない」とのコメントを出した。許可の範囲を逸脱する損傷があった場合、許可を取り消すことも示唆している。(吉田拓史)