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 海外へのFX(外国為替証拠金取引)をうたって投資家から集めた100億円を超える資金のうち約2億円を私的に使い、申告せずに脱税したとして、名古屋地検特捜部は31日、インターネット関連会社「シンフォニー」(名古屋市東区)の伊藤正明社長(47)=愛知県春日井市=から所得税法違反容疑で事情聴取を始めた。容疑が固まり次第、逮捕する方針。

 特捜部は同日朝、名古屋国税局と合同で、伊藤社長の自宅など関係先の家宅捜索を始めた。

 関係者によると、伊藤社長は経営するシンフォニーで投資セミナーを開催。会員となった投資家らに対し、ダミー法人とみられる「コムズジャパン」(東区)に振り込ませた入会金や投資資金のうち、2013年までの3年間で私的に使った約2億円を個人所得として申告せずに約7千万円を脱税した疑いがある。申告しなかった所得の一部は、春日井市内でマンションを購入した際の費用や遊興費に充てられたという。

 名古屋国税局がコムズジャパンの振込先口座などを調べたところ、会員5千人以上から100億円を超える資金が集まったことを確認した模様だ。

 投資家は、コムズジャパンに振り込んだ資金がタックスヘイブン(租税回避地)のセーシェルや、ニュージーランドの会社でFXによる投資に使われ、得た運用益を手にする、と投資セミナーで説明を受けたという。しかし、元会員と名乗る人が「投資資金が海外に送金されていない可能性は十分ある」とブログで警告するなど、金の流れに不明朗な点があるとして問題となっていた。

 伊藤社長は14年4月から国税局の強制調査(査察)を受けていた。伊藤社長は国税局に対し、「集めた金の一部を使った」と容疑を認め、すでに修正申告して納税したという。しかし、名古屋地検特捜部は金の流れの解明には強制捜査が必要と判断したとみられる。