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 大阪府は4日、賃貸マンションなどの空き部屋を、ホテルに活用できるようにする条例案を9月議会に再提案することを決めた。外国人観光客の急増によるホテル不足の緩和を狙う。治安悪化や住民トラブルへの懸念もあるため、府は立ち入り調査権限の整備を新たに打ち出した。大阪市も同様に再提案する方針だ。

 関西圏などが指定された国家戦略特区による規制緩和の一環。条例案は昨年、大阪府・市の9月議会に提案されたが「府や市に立ち入り調査権限がない」「滞在者の把握が難しく、犯罪の温床になる」などの指摘が相次ぎ、否決された。

 旅館業法は空き部屋の短期の貸し出しに、フロントなどの設置を義務づける。特区ではこれを緩め、部屋に台所や浴室を備えるなど一定の条件を満たせば、7~10日以上の滞在に限り、貸せるようにする。今回は条例案に、運営が適切かを調査・確認するための立ち入り調査権限を盛り込む。国も関連法の施行規則を改め、滞在者名簿の備え付けを義務化する。対応を怠れば、事業の認定を取り消せるようにする。

 観光庁の統計によると、大阪府の今年5月のホテル稼働率は、リゾートホテル(88・3%)、ビジネスホテル(85・4%)ともに全国一で、宿泊施設の不足が深刻化している。そのため、旅行者と民家を結びつける「民泊」を仲介するサイトも人気となっているが、旅館業法の「グレーゾーン」との指摘も出ている。松井一郎知事はこの日の会議で「(マンション)住民の不安の払拭(ふっしょく)が一番重要なポイントだ」と語った。府が条例を整備しても対象地域は限定的。保健所設置の権限を持つ政令指定市の大阪、堺両市や中核市で実施するには別に条例が必要となる。(上田真由美)

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