【動画】丸木位里・俊夫妻が「原爆の図」を描く様子が映像に残っていた=岩本哲生撮影
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 原爆投下後の惨状を描き、1950年に1作目が発表された連作絵画「原爆の図」を巡り、これまで現存しないとされた作者の故・丸木位里さんと故・俊さん夫妻の制作初期の様子を記録した映像が見つかった。原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)の岡村幸宣・学芸員は「新資料を掘り起こせたのは非常に大きな喜び」と話している。

 映像は「芸術は愉し」と題された約35秒の「ニュース映画」。1950年に発表した原爆の図の第2部「火」を描く丸木夫妻の姿が収録されている。

 岡村さんが、1950年代に開かれた展覧会のチラシの記述をきっかけに原爆の図のことがニュース映画で取り上げられたことに気づき、東京国立近代美術館フィルムセンター(東京都中央区)に該当する映像がないか問い合わせたところ、発見できたという。

 映像には、位里さんの母スマさんも登場。スマさんが原爆の図のモデルになったこともナレーションで紹介され、「その光景が映像で確認できるのは貴重」と岡村さん。「1950年当時の日本は連合国軍の占領下にあって、原爆被害の情報は統制されていた。でも、この映像からは作品や丸木夫妻の仕事を伝えたいという思いが伝わる」

 映像は今月から、丸木美術館で初めて一般公開されている。公開は30日まで。