[PR]

 芥川賞受賞後、生まれて初めて父がカメラに向かい、こぶしを掲げている写真を見ました。口角が上がっているので、そのポーズは喜びを表現したものであると分かりますが、ぎこちなさが見え、誰かに促されてやったことが分かります。母親も喜んではいるものの、冷静を装っています。感情を人前で出すことに、照れを感じている辺りが、自分の親らしいと安心しました。

 沖縄で暮らす祖母は受賞と発表された瞬間、両手を挙げて、カチャーシーを踊りだしたそうです。そんな、祖母を思い浮かべると自然と笑みがこぼれました。恩師、先輩、友人、後輩たちからも、たくさんお祝いの連絡がありました。

 受賞後、初めて舞台に立った時は、お客様から「おめでとう」という声と拍手で迎えていただき、漫才を始められないほどの歓迎ぶりだったので、思わず涙が出そうになりましたが、「皆さんのなかで、『火花』を読んでくださったという人?」と聞いたところ、五人ほどしか手があがらず、泣くタイミングを失ってしまいました。それでも、劇場に足を運んでくださったことを、心の底からありがたく感じました。今までお世話になった方々を、一瞬でも笑顔にできたことがうれしいのです。

 そして、芥川賞を受賞したこと…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら