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 くらしの中の「なぜ?」を探る「疑問解決モンジロー」が今年の夏も帰ってきました。9月にかけて3回掲載する予定です。1回目は暑い日においしい冷やし中華。どこでどうやって誕生したのかな。

 「日本めん食文化の一三〇〇年」(農山漁村文化協会)という本には、仙台が「冷やし中華の発生の地」とある。「龍亭」という中華料理店で生まれたんだって。

 いまも仙台市青葉区で営業している龍亭は、1931年創業。店主の四倉暢浩(のぶひろ)さん(47)によると、四倉さんの祖父で初代店主だった義雄さんが「涼拌(りゃんばん)麺」という名前で37年に考え出した。

 当時は冷房もなく、熱い中華料理は暑い夏には敬遠され気味だった。中華料理店でつくる組合の人たちが「売り上げの落ちる夏に、なにかいい工夫はないか」と話し合い、代表だった義雄さんが、冷やした中華麺に野菜を乗せ、お酢を混ぜたタレで食べる麺料理を提案した。「苦肉の策」だったんだね。

 義雄さんのつくった涼拌麺は今とはだいぶ違ったらしい。ゆでたキャベツと塩もみしたキュウリ、ニンジンをあえたものを、チャーシューやメンマ、ゆで卵と一緒に麺の上に乗せていた。具が細切りになったのは戦後だそうだ。

 東京都千代田区にある「揚子江菜館(ようすこうさいかん)」のメニューには、「元祖冷し中華 五色涼拌麺」という料理があるよ。2代目の経営者がざるそばを参考に考えた、33年からある料理なんだって。

 麺を山の形にして、キュウリ、タケノコ、チャーシューや寒天などを麺に立てかけるように盛る。富士山の四季をイメージした盛りつけで、てっぺんの錦糸(きんし)卵は、山頂に雲がかかっている様子を表しているんだ。ウッキー、きれいだね。

 冷やし中華は何月ごろから食べるものなんだろう。

 冷やし中華の麺やスープを製造する東洋水産(東京)に聞くと、2月ごろから冷やし中華の麺を出荷し、スーパーの店頭に多く並ぶようになるのは4月下旬ごろ。

 一般的に4月より9月の方が最高気温が高くて暑い日が多いけれど、冷やし中華の麺は4月の方が売れるそうだ。チルド企画課の久保裕亮(ゆうすけ)さんは「暑くなってきた!という雰囲気が、冷やし中華を食べたい気持ちのスイッチを入れるんじゃないでしょうか」と話していたよ。

 今年4月からは、ホームページで「冷し中華予報」を始めた。気象データなどから、その日はどのくらいおいしく冷やし中華が食べられるかを5段階の指数で表している。

マヨネーズで名古屋流

 モンジローの先輩が「名古屋ではマヨネーズをつけるんだって」と教えてくれた。キキッ! 知らなかった。

 名古屋に行って、ファストフード店の「スガキヤ」で「冷しラーメン」という名前で売られている冷やし中華を頼んでみたよ。マヨネーズとカラシの小袋がついてきた!

 名古屋に本社がある「スガキコシステムズ」は、ラーメンとソフトクリームが主力のスガキヤを東海地方を中心に展開。ショッピングセンターなどに出店している。もともと1950年代後半に、ラーメンスープにマヨネーズを溶き、冷やした麺にかけた「冷しラーメン」を出していた。1960年代前半にところてんのつゆをヒントに現在の冷やし中華の形になり、マヨネーズは添えて出すように。

 「名古屋で『冷やし中華にマヨネーズ』の文化を定着させたのは弊社だと思います」と広報担当の吉田学さん。

 コンビニ大手はどうだろう。セブン―イレブンは愛知県に進出した2002年から、東海地域で販売する冷やし中華にマヨネーズの小袋を付けている。今年はマヨネーズが目立つように、具が乗っている皿にマヨネーズを絞った「マヨ盛り!冷し中華」を愛知、三重、岐阜3県で販売。ローソンは東海と東北の計9県でマヨネーズの小袋を付けている。ファミリーマートは関東と九州以外はマヨネーズの小袋付き。ウキャ!? マヨネーズ派はモンジローが思ったより多いのかなあ。

 冷やし中華がみんなに愛されるのはなぜだろう。

 「日本めん食文化の一三〇〇年」の著者で伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)さん(77)は、色、酸味、栄養、個性といった要素を挙げる。「ハムのピンク、キュウリの緑、麺と錦糸(きんし)卵の黄色は人をわくわくさせる色。タレは酸味があって爽やか。炭水化物に偏らず、たんぱく質や野菜もとれる。なにより、『こうやって食べるものだ』という概念に縛られず、自分の好みの食べ方ができる。具やタレに個性が出て、店や家ごとの味が楽しめる。そこがいいんじゃないでしょうか」

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 「疑問解決モンジロー」は、サルの「モンジロー」が、くらしの疑問や不思議について取材する企画です。モンジローからごあいさつです。「なぜ?と思うことってたくさんあるね。いろんな場所で取材してくるよ。お楽しみに、ウキー!」