戦後70年の終戦の日となった15日、政府主催の全国戦没者追悼式が日本武道館(東京都千代田区)で開かれ、約310万人の戦没者を悼んだ。安倍晋三首相は式辞で「戦争の惨禍を決して繰り返さない」とする一方、アジア諸国への加害責任には今年も触れなかった。正午の黙禱(もくとう)に続き、天皇陛下は「おことば」で「さきの大戦に対する深い反省」と、追悼式では初めての表現を使った。

 追悼式には全国の遺族5327人らが参列した。

 安倍首相は式辞で「平和と繁栄を享受しているのは、皆様の尊い犠牲の上にのみあり得たものだということを片時も忘れません」と、哀悼の意を表明。その上で「歴史を直視して、常に謙抑を忘れません」とする歴史認識を示した。

 首相の式辞では1993年の細川護熙氏以降、アジア諸国への「深い反省」と「哀悼の意」などを表明し、加害責任に言及することを踏襲してきた。だが、安倍首相は3年続けて加害責任への言及を避けた。歴代首相が使った「不戦の誓い」にも触れなかったものの、「戦後70年にあたり、戦争の惨禍を決して繰り返さない、そのことをお誓いいたします」と語った。

 天皇陛下は「深い反省」に加え、「平和の存続を切望する国民の意識に支えられ、我が国は今日の平和と繁栄を築いてきました」などと、これまでにない表現を用い、「今後、戦争の惨禍が再び繰り返されぬことを切に願う」と述べた。

 遺族の参列予定者数はピークの85年(7056人)から減少傾向にあるが、今年は5525人で昨年の4765人より約16%増加。「戦後生まれ」は前年より4・8ポイント増の20・1%(1109人)で、初めて2割を超えた。一方、戦没者の「妻」は14人で、「父母」は5年連続でいなかった。

 厚生労働省は国費負担で参列する遺族の都道府県枠をこれまでの各50人から各55人に拡大。今回から18歳未満の「青少年代表」による献花が行われ、9~17歳の6人が選ばれた。