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 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を記事で傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する公判が17日、ソウル中央地裁で開かれた。弁護側証人として上智大の田島泰彦教授(メディア法)が出廷。記事は旅客船事故当日の朴大統領の行動を伝える「正当な報道目的から出た記事だ」と主張した。

 問題になったのは、昨年8月に産経新聞のウェブサイトに掲載された記事。昨年4月の旅客船セウォル号沈没事故が起きた当日の朴大統領の動静が韓国で取りざたされたことを伝え、韓国紙のコラムや証券街の情報をもとに、朴大統領が元側近の男性と会っていたという「うわさ」を取り上げた。

 田島氏は旅客船事故は「非常に重大な事件」だと指摘し、最高責任者である大統領がどういう対応をしたのかについては「市民が知ってしかるべき情報だ」と位置づけた。男性と会っていたという「うわさ」を取り上げたことについても「男女関係そのものが記事の主題ではない」とし、記事で名誉を傷つける意図はないとの見方を示した。

 また、言論の自由について「民主主義に市民が参加するうえで欠かすことができない」と述べ、その重要性を強調した。日本では報道関係者が名誉毀損(きそん)で処罰されることはほとんどないなどと、日本の現状も紹介した。(ソウル=東岡徹