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 えー。すんません。あのー、「文学界」の2月号に「火花」を発表させて頂きまして、増刷になってすごく僕自身ビックリしたんですけど、僕が普段お笑いライブをやったときに1万人、2万人という人数を集めることは正直できないんですね。なんで僕が思ったのは、小説を普段読まない人でも、いつか読みたいなとか、興味あるけど難しいからなかなか手に取る機会がないなと思っていた人がそんだけいたんやというのが僕はすごくうれしかったんですね。

 そこから「火花」が芥川賞の候補になりまして、より多くの人に読んで頂けたんですけど、すごいいろいろ考えることがあって。よくその、なんでしょうね、芸人と作家どっちやと聞かれることが多いんですけど、芸人の若手時代に、まあ今も若手なんですけど、デビューしたてのころからあんまり仕事がなくて、アルバイトの面接もうかるようなタイプでもなかったんで、本当に生活が苦しかったんですけど、一番最初は吉本の社員さんの中で「本好きなんやったらちょっと文章書いてみたら」と言われて、コラムみたいなもの書かしてもらったりとか、文章を書くチャンスをもらいまして、最初は400文字とかから始まって、徐々にチャンスをもらって。2009年に作家のせきしろさんに誘っていただいて、「カキフライが無いなら来なかった」という自由律俳句とエッセーの句文集を出版することができたんですけど、それが僕の中ですごく、芸人としての大きな自信につながったというか、自分の書いたものが本になったという、芸人をやる上でも文章を書かせてもらえるというのが僕のなかですごく大きくて。

 よく芸人100%でいきます、それ以外の時間で文章をかいていきますというんですが、どっちが上とかじゃなくて、僕には両方必要やなと思います。さっき(選考委員の)島田(雅彦)さんがおっしゃってたように、芥川賞という、候補になったときから「次どうするんねん」というところで、すごいプレッシャーを感じるでしょうって言われるんですけど、確かに最初の何日間かはゲー吐きそうやったんですけど、よくよく考えたら仕事もなかった時期が長くて、とにかく舞台に立ちたいとか、自分の書いたものを人に読んでもらいたいなという時期が長かったんで、どうなろうとも、表現できる場所を与えてもらっているということがすごくうれしく思ってます。

 今回芥川賞を受賞することによって、これで次を書かないというのはすごく失礼だと思いますし、書くべきだと思っていますので、面白いものを書きたいと。またみなさんに読んでもらって、それぞれ率直な感想を頂ければまた励みになりますんで、今後ともよろしくお願いします。ありがとうございます。