[PR]

 日本のイルカ漁を批判的に描いた映画「ザ・コーヴ」に対抗し、反捕鯨団体の活動などを記録した映画「ビハインド・ザ・コーヴ」を日本人女性がつくった。カナダで開かれている「モントリオール世界映画祭」で9月4日と7日に上映される予定だ。

 「ザ・コーヴ」は、和歌山県太地町での伝統的な追い込み漁を隠しカメラなどで撮影した作品で、2010年に米アカデミー賞を受賞した。漁師がもりでイルカを突き、海の色が真っ赤になっている場面などが論議を呼んだ。

 「ビハインド・ザ・コーヴ」は、東京都内の映画会社代表、八木景子さん(48)が400万円の自費を投じて制作。太地町でイルカ漁を監視する反捕鯨団体シー・シェパードの活動記録やインタビューで構成している。八木さんがカメラを向けると反捕鯨団体のメンバーが一斉にスマートフォンで八木さんの撮影を始める場面や、反捕鯨団体と地元住民や警察が牽制(けんせい)し合う場面がある。「ザ・コーヴ」の監督らへのインタビューもある。

 また、地元でイルカ漁や捕鯨をしていた元漁師や、国際捕鯨委員会(IWC)で日本の立場を主張してきた元官僚へのインタビュー、「何を食べるかは個人の自由だ」と訴える様々な国の人の発言なども盛り込んだ。イルカ漁自体のシーンはない。映画は110分で、世界の人にみてもらうため、ナレーションは全て英語だ。

 八木さんは「食と宗教の自由は認めあうべきだ。それが世界の戦争をなくすことにつながる」と話している。鯨やイルカを食べる文化がなぜ批判されるのか、もともと疑問に思っていて、国際司法裁判所(ICJ)が昨春、日本の南極海での調査捕鯨に中止命令を出したのを機に実態を調べ始めたという。日本での公開は決まっておらず、八木さんが上映してくれる映画館を探している。映画のダイジェスト版はインターネットの動画サイトで公開している。(編集委員・小山田研慈)