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 個人情報保護法改正案は、28日の参院本会議で、自民党、公明党、民主党などの賛成多数で可決した。プライバシー保護の監督・監視役となる第三者機関「個人情報保護委員会」は来年1月に発足する。

 いっしょに審議し、参院でこの日可決したマイナンバー法改正案の修正案が9月3日にも衆院で可決されるのを待って、成立する。全面施行は公布から2年以内。

 個人情報保護法は、企業などが個人情報を扱う際のルールを決めたもの。2003年の成立以来初めて、本格的に改正される。情報環境の変化にあわせてプライバシー保護のあり方を見直し、企業が持つ個人データを使いやすくして、ビッグデータの利活用を後押しするねらいがある。

 個人情報保護委員会は、マイナンバー制度で昨年できた特定個人情報保護委員会を改組し、仕事と権限を増やす。守るべき個人情報に何が含まれ、何が含まれないのかの具体的な範囲を政令などで定め、それぞれの事案を判断する。いまは複数の所管省庁にまたがる企業の監督権限も集約する。疑わしい事案があれば企業に報告を求め、立ち入り検査をして指導や命令ができる。

 改正法では、信条や病歴など差別につながりかねないものを「要配慮個人情報」と定め、本人の同意なく取得したり外部提供したりすることは禁じられる。一方、個人を識別できないように加工したものは「匿名加工情報」と定義し、本人の同意がなくても外部提供できる。委員会は、こうした具体的な「線引き」作業も担う。

 名簿業者対策として、本人の同意なく個人情報を外部提供する場合は、委員会への届け出が義務付けられる。委員会はその内容をもとに、消費者が自分の情報が流通していないかをチェックできるしくみをつくる方針。不正な利益を得るために情報を流したり盗んだりした場合に適用できる「データベース提供罪」も新設される。

 委員長には、改組前の組織で委員長を務める一橋大名誉教授の堀部政男氏が就く見通し。委員は9人で構成する。(藤田知也)

 28日午前の参院本会議では、働く女性の活躍にむけて大企業に数値目標の設定などを義務づける女性活躍推進法が成立した。全国の農協組織のあり方を約60年ぶりに抜本的に見直す農協改革関連法も、成立した。

個人情報保護委員会の主な役割

<ルールづくり>

・個人情報の範囲や各事例を判断

・信条や病歴など「要配慮個人情報」の範囲を決める

・個人を識別できないよう加工した「匿名加工情報」の水準を定める

・3年ごとに法律の見直しを検討

・海外機関との国際交渉

<監督・監視>

・各業界の個人情報保護指針づくりに関与

・民間企業への指導や立ち入り検査

・名簿業者の取引内容などを公表

<その他>

・マイナンバーのルールづくりや監視役

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