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 迷走を続けた新国立競技場の整備がようやく動き出す。安倍晋三首相による旧整備計画の「白紙撤回」から1カ月余り。28日に決まった新計画で、政権が重視したのは、批判を浴びた建設費の1千億円を超える削減幅だった。だが、スポーツ界などの受け止めは様々。2020年東京五輪・パラリンピックの主会場として、国民に歓迎される競技場にできるかどうかは、まだ見通せない。

 「従来の案より1千億円以上削減し、大幅なコスト抑制を達成できた」。28日朝、首相官邸であった新国立競技場の整備計画に関する関係閣僚会議。安倍首相は、建設費を1550億円に絞り込んだ新計画に胸を張った。

 建設費が2520億円に膨らんだ旧計画に批判が集まり、首相が白紙撤回を決めたのは7月17日。政府は突貫作業で新計画を練り上げた。重視したのは「1千億円」という削減幅と、新たな建設費に説得力を持たせることだった。

 まずは、3年近く携わってきた下村博文文部科学相から、6月に就任したばかりの遠藤利明五輪担当相へと責任者を交代させた。遠藤氏のもとに新たに設けた再検討推進室に、予算査定に慣れた財務省、大型公共事業にノウハウのある国土交通省の出身者を集めた。

 「キールアーチ」という巨大なアーチで支える屋根をやめ700億円余り削減するなど、徐々に数字を積み上げ、8月下旬には約1千億円の削減となる1600億円台が視野に入った。

 8月27日、遠藤氏が首相に説明するため官邸を訪れた際、携えた資料にあった建設費は「1640億円」。競技場には、客席の下から冷風が吹き出す冷房の設置を検討しており、これを外せば、さらに100億円のカットが見込めた。

 「暑さ対策なら、『かち割り氷』だってある」。首相は夏の甲子園名物を挙げ、遠藤氏に冷房施設の断念を指示。「首相主導の政治決着」を演出し、1500億円台の「大台」を達成した。

 遠藤氏のチームは、この建設費に説得力を持たせようと、新計画で様々な数字を持ち出した。

 過去に海外であった五輪の競技…

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