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 2020年東京五輪のエンブレムが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴマークと似ているとされる問題で、大会組織委員会は28日、都内で記者会見を開き、エンブレムを制作した佐野研二郎さんが最初に提出した「原案」を初めて公表した。現在発表されているエンブレムは、2度の修正を経た後に完成したとし、「リエージュのマークには全くない特徴がいくつもあり、オリジナルだと確信している」と強調した。

 組織委によると、審査委員会が応募のあった104点の中から最終的に佐野さんの作品を選んだのが昨年11月。その時点では、アルファベットの「T」に、三角形や円を組み合わせた図形だった。商標登録に向けて国際オリンピック委員会(IOC)と組織委が世界中の商標を調べたところ、海外の会社が持つ商標と類似点があったため、佐野さんに作品の修正を依頼。今年2月初旬ごろ、佐野さんが最初の修正案を提示した。

 大きな円を中心に置いた最終案に近いデザインだったが、「躍動感が薄まった」とし、再度佐野さんに修正を依頼。約2カ月後の4月、最終的に発表されたデザインが提出されたという。

 修正を加えた最終案については、8人の審査委員のうち1人が「真剣に検討し、選んだのは原案だった」として承諾しなかったが、残る7人が承諾。IOCにも提示した上で、7月24日に発表した。

 作品を修正したことについて、審査委員の代表でグラフィックデザイナーの永井一正さんは「組織委員会とのやりとりで時間をかけた成果が出ている。世界中で商標をとる上で、(デザインに手を加えることも)ありうる」とした。(宮嶋加菜子)