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 水道料金の値上げが各地で相次いでいる。老朽化で水道管などの維持改修費がかさむ一方、人口減で料金収入が減り、水道事業の収益が悪化しているためだ。家庭の水道料金は20年で約2割上がり、自治体間では10倍近い料金格差もある。広域的な水道統合で収益の改善を図る動きも出ているが、課題も多い。

 日本水道協会によると、2014年4月の水道料金の全国平均(家庭用月20立方メートル使用)は3196円で過去最高になった。総務省の消費者物価指数の統計でみると、14年の水道料金は1995年に比べ2割超上がった。電気代の上げ幅(約1割)よりも大きい。

 さらに今年に入り、大幅な値上げに踏み切る自治体が相次ぐ。北海道美唄(びばい)市は10月から水道料金を一律30%上げる。4月には宮城県栗原市が平均14%、埼玉県飯能市12%、香川県丸亀市が10%値上げした。静岡県東伊豆町も7月の納期分から25%値上げしている。

 地域間の料金格差も大きい。水道協会によると、月10立方メートル使用の家庭用料金(14年4月)では、最高の群馬県長野原町が3510円なのに対し、最低の兵庫県赤穂市は367円と、10倍近い開きがある。

 人口が密集していたり、水質の良い水源が近かったりする地域は料金を安く抑えられる。半面、人口が分散している地域では、水道管の経路が長く維持改修費が多くかかり、人口減で料金収入が減り、値上げせざるをえない状況がある。県全体の水道事業の統合をめざしている香川県が昨年秋に試算したところ、今後も市町で単独経営を続けた場合、現在2倍近くの県内市町間の料金格差は43年に約4倍に広がるという。

 全国的にも値上げの傾向は強まりそうだ。新日本監査法人などの試算によると、人口減に伴い40年度までに98%の事業体で値上げが必要となり、その約半数が現在より30%以上の値上げになる。とくに北海道や東北で値上げ率が高くなる見通しだという。(花野雄太、編集委員・堀篭俊材

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 〈水道料金〉 水道事業は市町村単位で運営するのが原則で、料金はかかったコストによって決まる。河川や地下水などの水源から遠ければ水道管の経路も長くなり、水質が安定しない河川では、地下水に比べ水をきれいにする薬品代も高くなるのが一般的だ。水道事業は給水人口5001人以上の「上水道」と5千人以下の「簡易水道」に大きくわかれ、厚生労働省によると2013年度末現在で上水道1401、簡易水道6105の事業がある。