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東京五輪エンブレム取り下げ決定について

 《漫画家のやくみつるさん》 使用中止の理由として、大会組織委は「国民の理解を得られない」と繰り返しているが、主体性がなく、国民の判断に転嫁しているだけ。選考過程など責任の所在を検証しないままに、公募をし直したとしても、またどこかで疑惑を持たれ、同じ轍(てつ)を踏んでしまう。そもそも、1964年五輪のマークがあるのに、なぜ作り直す必要があるのか。明快で荘厳。あれを超えるデザインはない。2度目の五輪開催都市として、先人への尊崇の念を持ち、理念を継承していくことが大切ではないか。

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 《元女子マラソン選手で五輪メダリストの有森裕子さん》 五輪開催に向けて、とても残念な流れだ。新国立競技場問題から、あり得ないことが起こりすぎて戸惑っている。競技場もエンブレムも白紙撤回までに既にたくさんのお金を使っている。お金の使われ方や大会組織委のあり方はとても不透明。しわ寄せを食ったと思う国民が、五輪で楽しんで選手たちを応援してくれるだろうか。お金も労力も、子どもや地域のスポーツ振興などに有意義に使えたはず。信頼を取り戻し、みんなに応援してもらえる五輪にしてほしい。

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 《東洋大の藤本貴之准教授(情報デザイン論)》 佐野氏は、もっと早い段階で取り下げるべきだった。ここまで問題が大きくなった背景には、もはやエンブレムが模倣や盗用かどうかということよりも、佐野氏のこれまでの作品に対する疑惑が一般の人たちに嫌悪感を持たれてしまったことが大きい。五輪には、ひときわクリーンさが求められる。ネット上で疑惑が次々と指摘されたのは、世論の「汚れたエンブレムを使いたくない」という気持ちと、新国立競技場も含めた一連の問題に対する怒りの表れだったのではないか。