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 合否のカギを握るのは成績表――。大企業を中心に8月から解禁された採用面接で、大学の成績表を使う例が増えている。エントリーシート(ES)に沿った面接では、学生が問答を想定しており、本当の人物像が見えにくい。あまり話題にならない勉強への取り組みをとっかかりに、学生の「素」に迫る作戦だ。

成績表から質問「準備できず、素が見える」

 採用面接で学生と向かい合った社員は、学生の履修科目と成績がずらりと並んだ一覧表を見ながら質問した。「随分、単位を取ってきたね」

 「1年生から単位を取らないと試合に出られないと先輩に言われました」。そう回答した男子学生は全国トップレベルの運動部に所属する。

 社員は「やらないといけないことも計画的にやり遂げられそう」と評価した。

 素材メーカー「帝人」は2013年から、面接で成績表を使っている。志望動機や自己PRを記入させるESと違い、成績をもとに質問すると、「どこを突っ込まれるのかわからないから学生が準備できず、素の部分や回答の矛盾が見える」と、帝人の藤本治己・人事総務部長は説明する。

 成績が下がった科目があれば、理由を尋ねる。理解できなかったのか。別のことに興味が向かったのか。怠けていたからか。それとも、担当教員が嫌いだったのか。「成績を評価するのではなく、成績表から質問を掘り下げ、求めている人物なのかを確認する」

 日本たばこ産業(JT)も14年の採用面接から成績表を活用。「ESでは学生がアピールしたい部分しかわからなかった。成績表を使うと『やりたくなくてもやらなければいけないこと』への姿勢がわかった」と担当者。雄弁に語らない印象の学生でも、成績表に沿って質問していくと、まじめに学んでいたことがわかり、内定を出した例もあるという。

 勉強に励む学生にも、成績活用は好評だ。東京学芸大4年の女子学生(22)は履修条件の厳しい学部に通うが、就活では学外での経験が重視されると聞き、合間を縫ってボランティアなどに取り組んだ。でも、「成績表をもとに面接してもらえたら、質問にきちんと答えられるからうれしい」。

 国公私立大学などでつくる「就職問題懇談会」も企業側に、成績を使った面接を要望している。今年からは、履修科目も加えた成績表を使った面接も求めている。懇談会の事務局を担う文部科学省の担当者は「これまでは学業が評価されな過ぎた。大学に入って学んだことを採用で評価してもらいたい」と話す。

■大学も対応「信頼できる成績が…

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