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 全国の高速道路で100キロ以上給油できないガソリンスタンド(GS)の空白区間が83カ所あることが、国土交通省のまとめで分かった。採算の厳しい店が撤退しているという。シルバーウィークなど秋の行楽シーズンを前に、高速各社は早めの給油を呼びかけている。

 「燃料が切れた。助けて」。北海道滝川市でGSを営む山口清悦さん(61)は5月、知人の40代男性から電話を受けた。大型トラックを運転中、道央自動車道で燃料が底をついたという。

 山口さんは、自社のGSでポリタンクに軽油20リットルを入れ、車で駆け付けた。トラックは最寄りのGSの約10キロ前で止まり、片側2車線の左側をふさいでいた。男性は「燃料は持つと思っていた」と見通しの甘さを反省し、平謝りだった。

 山口さんは「周辺に100キロ以上GSが無い区間があり、観光客らは注意が必要」と話す。

 国交省によると4月現在、全国の高速道のGSは215あり、100キロあたりの店舗数は2・3。10年前の2・6より減った。車の燃費向上などでガソリン需要が減っている影響という。空白区間は150キロ以上が16カ所、100キロ以上が67カ所にのぼる。最長は北海道の足寄(あしょろ)インターチェンジ(IC)―由仁(ゆに)パーキングエリア(PA)=175・1キロ=で、北関東の笠間PA―横川サービスエリア(SA)=173・6キロ=、兵庫と福井間の西紀SA―南条SA=163・4キロ=と続く。

 日本自動車連盟(JAF)には昨年度、高速道路で燃料切れになった四輪車からの救援要請が1万1467件あり、タイヤのパンク(2万8335件)に次いで多かった。今年のお盆期間(8月8~16日)も燃料切れで385件の要請があり、担当者は「大勢の人が動く秋の大型連休も注意が必要」と話す。

 高速道路各社は空白区間や燃料切れを無くそうと、GSの賃料を下げ、近くのサービスエリア(SA)でガソリン缶(レギュラー1リットル缶4本で1730~4千円程度)を売る対策を打っている。国交省の担当者は「高速道路のGSは災害時にも役立つ。空白区間の解消を検討したい」と話す。(峯俊一平)