拡大する写真・図版 東京電力福島第一原発事故からの避難指示が5日午前0時に解除されるのを前に、福島県楢葉町の木戸川河口付近では、犠牲者の追悼と町の復興の願いを込め、一筋の光が空を照らした。除染などで出た低線量の放射性物質を含む廃棄物を詰めた袋が積み上げられた町に明かりは少なかった。左後方は広野火力発電所、右奥の明かりは国道6号と広野町の街明かり=4日午後7時44分、仙波理撮影

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 東京電力福島第一原発事故でほぼ全住民が避難している福島県楢葉町(人口約7400人)について、政府は5日午前0時、4年半続いた避難指示を解除した。全自治体規模で解除されるのは初めて。指示解除は3例目で対象人数はこれまでで最も多く、本格帰還の先駆けとなる。

 楢葉町は大部分が福島第一原発の20キロ圏にあり、2011年3月12日にほぼ全住民が避難した。当初、町は原則立ち入りが禁じられる警戒区域に指定されたが、12年8月から日中は立ち入りできるようになった。除染やインフラ復旧が進んだとして今年4月、希望者が帰還に向けて自宅に滞在できる準備宿泊制度を始めた。

 8月31日までに宿泊を登録したのは1割強の351世帯780人。町によると、実際に滞在しているのは100世帯程度にとどまる。避難先に定住を決めた住民がいるほか、病院や買い物、学校など町の生活環境に不安を覚える人も少なくない。放射線の健康への影響を心配する人もいる。

 指示解除は田村市都路地区と川内村東部に続き3例目。県内では今後も9市町村の7万人余りに政府の避難指示が続く。政府は順次解除する考えで、8月31日には川俣町山木屋地区や葛尾村、南相馬市小高区などで準備宿泊制度を認めた。福島第一原発がある大熊町や双葉町などの帰還困難区域は放射線量が高く、解除のめどは立っていない。