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 長崎県南島原市が彫刻家からマリア像の寄贈を打診され、展示施設の改修などに予算を計上したところ、市民から「憲法の政教分離に反する」との指摘を受け、受け入れを断念した。市は「政教分離に抵触はしないが、混乱を避けるため」と説明する。「展示は信教の自由を侵す」「憲法違反にはあたらない」と専門家の見方も割れる。

 像はマリアが幼いキリストを抱く聖母子像で、高さ9・5メートル。神奈川県藤沢市の彫刻家、親松英治さん(81)が木彫りで作った。カトリック信者の親松さんは、江戸幕府によるキリスト教弾圧「島原の乱」の舞台となった南島原市の原城跡を訪れた際、犠牲者を鎮魂しようと制作を決め、約30年かけて完成。市に寄贈する意向を伝えていた。

 受け入れを決めた市は像の展示に向け、市の「有馬キリシタン遺産記念館」の改修費など約2800万円を今年度予算に計上。市内には原城跡など、来年の世界遺産登録をめざす「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」の構成資産がある。木彫りでは世界最大級とされるマリア像を観光資源の一つにしたい、との思惑もあった。

 ところが、地元の宗教家や市民が「政教分離の原則に抵触する」などとして市に見直しを要求。6月の市議会では小林知誠(ともなり)市議(共産)が「カトリックの象徴であるマリア像の受け入れに多額の市費を投じることは政教分離に反し、憲法上問題がある」とただした。小林市議は「歴史家や宗教家から一つの宗教に公金を投じるのは憲法違反との意見が寄せられた」と話す。

 受け入れに反対する市内の寺の住職(72)は「信仰の対象となるようなものを公的機関に設置することは問題」。ある市民(68)は像の展示を決めた手続きを問題視し、「事前に専門家の委員会をつくって議論すべきだった」と主張する。

 こうした声を踏まえ、市は受け入れ断念を決定。8月に松本政博市長が親松さんを訪ねて経緯を説明し、謝罪したという。松本市長は取材に対し「像は芸術作品で、政教分離には抵触しない」とする一方、「市民の間に異論があり、訴訟などの混乱を避けるために受け入れを断念した」と説明した。

 一方、南島原ひまわり観光協会…

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