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 作家の太宰治(1909~48)が、芥川賞の選考委員だった佐藤春夫(1892~1964)に自分が受賞できるよう懇願する手紙が新たに見つかった。存在が分かっていた佐藤宛ての別の手紙より前のもので、文章の長さも約4倍。文面からは、駆け出し作家・太宰の、賞に対する鬼気迫る思いが伝わってくる。

 2人は、佐藤が無名だった太宰の才能にいち早く注目し激励の手紙を送ったのを機に師弟関係になった。太宰から佐藤への手紙は34通見つかっていたが、今年3月、佐藤の遺品の整理を依頼された実践女子大の河野龍也准教授(日本近代文学)が、東京都内の遺族宅で新たに3通発見した。

 そのうち、4メートル超の和紙の巻紙に毛筆でしたためられた手紙(1936年1月28日付)では「芥川賞は、この一年、私を引きずり廻(まわ)し、私の生活のほとんど全部を覆つてしまひました」と切り出し、「第二回の芥川賞は、私に下さいまするやう、伏して懇願申しあげます。私は、きつと、佳(よ)い作家に成れます。御恩は忘却いたしませぬ」と畳みかけるように頼んでいる。

 太宰は当時26歳。前年に創設された第1回芥川賞の候補になりながら落選。私生活でも鎮痛剤への中毒症状に悩むなど失意の中にあり、敬愛する芥川龍之介の名を冠するこの賞に執着心を強めていた。

 佐藤宛ての手紙では、「芥川賞…

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