【動画】オスのクサガメと家出したメスのクサガメ=北九州市ほたる館提供
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 メスのヒキガエルへの求愛行動で話題になった北九州市ほたる館(小倉北区熊谷2丁目)のオスのクサガメ「ちゃちゃ」(5歳)が、今度はお嫁さん候補に逃げられた。3月から「同居」していたメスのクサガメ「さくら」(7歳)が7月下旬、館外に出たらしく行方不明に。飼育員らは「2匹の子どもを見たかった」と残念がっている。

 ほたる館によると、7月23日午前、敷地内の庭の水路にクサガメ2匹を放していたところ、メスガメの姿が見えないことに飼育員の吉開幹将さん(40)が気付いた。水路を囲う柵と地面の隙間から逃げたらしい。近くの川などを探したが、見つかっていない。吉開さんは「さくらの顔つきが前より柔らかくなってきていたのに」と肩を落とす。

 オスガメは1月、同じ水槽で飼われたメスのヒキガエル「そね」に、伸ばした首の鼻先で相手の鼻先をつつく求愛行動をした後、背後から覆いかぶさって逃げられるなどしていた。

 その様子を朝日新聞などが報じると、市内のカメ愛好家が3月、メスガメを寄贈した。オスガメは同じ水槽にメスガメが入れられると、メスガエルには近づかなくなった。水槽の外(屋内)では、2匹が交尾しているような姿が何度も目撃されたという。床の上ではオスガメの後ろ脚が滑るため、交尾しやすいよう庭の水路へ放すことを7月から始めたところだった。

 吉開さんによると、オスガメは、メスガメが逃げた直後は餌を食べる量が減り「ウロウロ、キョロキョロしていた」。その後、メスガエルへの接近を再開。8月中旬には求愛行動も見せたという。

 新海正信館長(64)は「残念。産卵までこぎ着けて欲しかった。『そね』は今、ストレスが大きいだろう。『ちゃちゃ』に良いお嫁さんが来てほしい」。吉開さんは「環境が嫌で逃げたのなら『さくら』の意思を尊重したい。自然の中で暮らしてくれたら」と話す一方で、こうも願う。「既に交尾を済ませていて、子ガメを連れて帰って来てくれたら」(中川壮)