[PR]

 今年の司法試験で、問題の作成などを担当する考査委員を務めていた明治大学法科大学院の青柳幸一教授(67)が問題内容の一部を漏洩(ろうえい)したとされる事件で、青柳教授が論文式試験だけでなく、マークシート方式の短答式試験でも教え子の女性に問題を漏洩した疑いがあることが関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は、この点についても国家公務員法(守秘義務)違反にあたるかどうか捜査するとみられる。特捜部は9日、同大学院の青柳教授の研究室が入った校舎を家宅捜索した。

 司法試験は、短答式(175点満点)と論文式(800点満点)の二つの試験があり、短答式で一定の得点を超えると、論文式の採点を受けることができる。青柳教授は双方の試験で、憲法の分野の問題作成を担当していた。

 関係者によると、青柳教授は5月の試験前、教え子の20代女性に対し、自らが担当した短答式試験の問題を見せて漏洩した疑いがある。短答式試験のうち、憲法分野の配点は50点で、女性の答案は50点満点だったという。女性は短答式の最低ラインをクリアし、論文式の採点に進んだ。論文式試験でも青柳教授は自ら作成した模範解答を漏洩し、女性の答案は模範解答とよく似ていたという。

 関係者によると、女性からの漏洩の働きかけは確認されておらず、教授が女性に対する個人的な好意から問題や解答を教えたとみられるという。法務省はほかの受験者の論文の答案も調査したが、女性以外には漏洩を受けた形跡はなかった。

明治大、免職の方針

 明治大学は9日、一連の問題を受けて記者会見を開き、福宮賢一学長が「司法試験制度の根幹を揺るがしかねない事態だったと重く受け止めている。広く社会の皆さまにおわび申し上げます」と謝罪した。

 明治大によると、青柳教授は辞意を示しているが、大学側は「最も重い処分に該当する」として受け入れず、免職処分を決める意向だ。また、外部の有識者を含む委員会で学生や修了生にヒアリングし、同じような事案がないか調べる。

 同大は8日に電話で青柳教授と連絡を取った。青柳教授は落ち込んだ様子で「司法試験委員会から指摘を受けた当初は否認したが、特捜部の聴取を受けて漏洩を認めた」などと説明したという。