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 鬼怒川の堤防決壊から一夜明けた11日も、茨城県常総市石下(いしげ)地区は水に囲まれていた。朝日新聞社ヘリで上空から、記者が取材した。

 堤防裂け目からの濁流は止まった。決壊地点のすぐ内側では、爪で引っかいたように土がむきだしになり、川沿いの道路が寸断。街並みがあったはずの場所には、住宅の基礎さえ残っていなかった。

 午前8時過ぎ、集落は10日より水位が下がり、冠水していた道路や水田の一部からは水が引いていた。水没箇所をよけるように緊急車両が行き来し、低空で救助のヘリが飛び回った。

 数十人の避難者が夜を明かしたスーパー。その近くの民家に消防隊員が黄色いゴムボートで乗り付けるのが見えた。女の子を含む3人が救助されていた。

 泥水は石下地区から南一帯の広範囲を覆った。南へ約10キロの関東鉄道水海道駅までの住宅街と水田が広い湖面のようになっていた。前日と打って変わった晴天で、日差しが水面に反射してキラキラと光った。救助ヘリがあちこちで孤立した住民をつり上げていた。

 浸水域の南端、常総市の市街地もほぼ冠水。午前8時半、市役所の屋上に、自衛隊員を含む数十人の姿が見えた。赤十字マークの自衛隊車両も市役所前で水につかっていた。近くの駐車場では、白や赤、緑など色とりどりの乗用車の屋根だけが、わずかに茶色い水面からのぞいた。(後藤遼太)