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 参院での審議が大詰めを迎えている安全保障関連法案について、若者と一緒に街頭で反対を訴えている88歳の戦争経験者がいる。太平洋戦争末期、特攻兵器で出撃途中に終戦を迎えた。「国を守る」との一心で軍人を志したあの頃をいまに重ね、危機感を募らせる。

 「安保法案、絶対反対」。福岡・天神で今月あったデモの列に福岡県筑紫野市の有働良助さん(88)がいた。昨年から、反対のデモがあると聞けば参加し、登山で鍛えた足腰で数キロを歩く。「声を上げられる時に上げないと。手遅れにならないうちに」

 熊本県立商業学校(現・県立熊本商業高)にいた1943年、海軍の航空機搭乗員を養成する甲種飛行予科練習生(予科練)に合格した。名誉なことだと喜んだ。故郷の熊本県植木町(現・熊本市)を出発した際は、駅で多くの人に日の丸を振ってもらって見送られた。

 戦局は悪化し、訓練で飛行機に触れることもないまま迎えた44年夏。「新兵器」の完成を告げる上官の言葉に心が震え、搭乗を志願した。45年から広島・呉の倉橋島で特殊潜航艇「蛟龍(こうりゅう)」に乗る訓練をした。

 5人乗りで、搭載する魚雷2本を撃った後は、敵艦へ体当たりすることも想定した特攻兵器だった。8月6日の朝に出撃。呉の軍港を出て間もなく、潜望鏡で外を監視していた艇長が声を上げた。立ち上る巨大な雲。戦後、広島に原爆が投下されたことを知った。鹿児島近海を航行中に「引き返せ」との暗号電文を受信し、九州の基地で終戦を知った。

 「死への悲壮感はなかった。そ…

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